えー、超久しぶりにネットワークビジネスの勧誘を受けてきたので、報告します。
いくつか前提条件を書きます。
・「勧誘」と書きましたが、実際は「紹介」「説明」に近く、強引な誘い方はされていません。
・僕は「ネットワークビジネス」は、いいものだと思ってます。強引な勧誘はダーメだけどね。
自分で人生を切り開くためのひとつの手段として、がんばる価値のあることだと思ってます。
だけど、今回の件は、それとはまた話がズレます。
▶︎僕は、Wくん(21歳)と、ふとしたことから知り合いました。
彼は、「九州から東京に出てきて2ヶ月」というピチピチボーイで、四国から出てきたときの僕と同じく、「なにかをやったるぜ!」というオーラに満ち溢れていました。
そんな彼に対して、僕は「君みたいに元気がいいと、すぐに変な勧誘にひっかかりそうだから、気をつけてね」と言っておきました。
1週間くらいして、また彼に会う機会がありました。
「19万円払ってきました!」
「マジですごいチャンスを見つけましたよ!」
「2ヶ月後には、指にダイヤの指輪をはめてますから、見ててください!」
と、高揚状態です。
「アジアエンターテインメントの、ベラジョンっていうやつです!」
と、具体的な名前までWくんから聞いたので、僕はインターネット上の情報を収集しました。
その結果は、「かなり怪しい」。
さらに、ネットワークビジネスをやってる友人に話を聞くと
「アジアエンターテインメントは、最近めちゃくちゃ流行ってる。かなり詐欺っぽいらしい」という情報も得ました。
ネットの情報と、友人の情報。それらを統合すると、「95%くらい怪しい。詐欺っぽい」となりました。
けどひょっとしたら、まっとうなネットワークビジネスかもしれない。僕がやってる「ネットで稼ぐ」というのも、外側から見たら「怪しい」ものだから、外から見ただけでは、判断できません。
そして、その翌日の21時。Wくんから電話がかかってきました。
「ふじさわさん、今度、時間とれませんか?ふじさわさんも、いっしょにこれをやりませんか?」
そのモノの周りをウロウロ調べてしょうがないので、一度突っ込んで話を聞きたいと思った僕は、
「いいよ。話だけ聞かせてよ」
といって、その週末、Wくんと新宿で会ったのです。
▶︎新宿でWくんとまず会って、アジアエンターテインメントのひとを待ちました。
2人でいる間にいろいろ話しましたが、はっきり言って、Wくんはこのビジネスのことを半分も理解していませんでした。
「わからないことはなんでも、アジアエンターテインメントのひとに聞いてください」とのこと。うむ。
待ち合わせ時間を20分ほど過ぎた頃に現れたのは、24歳の、ビシッとスーツも髪型も決めた、ちょっと高そうな腕時計をした青年でした。
彼は20分の遅刻には一言も触れず、「はじめまして。Mです。」と自己紹介をしてくれました。
それから1時間半ほど、僕はMさんのマシンガントークを全身で受け止めました。
▶︎マシンガントークを全てここに書き記すのは不可能なので、流れだけ書くとすると
「もっと収入ほしいですよね?」
↓
「これから数年間で、世の中でなにが流行るか知っていれば、お金持ちになれると思いませんか?」
↓
「2020年に・・・オリンピックがあります!カジノが日本でも合法になりそうなんです。」
↓
「オンラインカジノを紹介する仕事です!これはドッカンきます!すごく大きな市場です!」
↓
「パチンコやってるひと、沢山いますよね?しかも最近は、パズドラとか、アプリへの課金も多い・・・。」
↓
「アフィリエイトって知ってますか?これは、「新しいアフィリエイト」」なんです!」
↓
「海外では、オンラインカジノって、もう常識なんです!「ベラジョン」っていうオンラインカジノは、世界ではみんなやってます!」
↓
「ほら、CMも!(iPad でベラジョンカジノのTVCMを見せられる)」
↓
「しかも、あなたが紹介したひとがカジノを遊び続ければ、そのひとが負けた分の5%が入ってきます!」
↓
「ギャンブルって、誰だって依存症になりますよね?なので継続収入になるんです!」
↓
「しかも、あなたが紹介したひとの下のひとが使った分も入ってくるので、収入は無限大です!」
↓
「ちょちょっと何人か紹介すれば、月収50万円とか。さらにちょちょっとで・・・月収500万にも!」
↓
「この、オンラインカジノを紹介するためのプラチナメンバーになるための費用が、195,000円です。すぐに取り返せます!」
▶︎なんせ1時間ほど、かなりのスピードで話すもんですから、ここに書いたよりもっともっと沢山の説明がありましたが、大枠はこんな感じです。
それはそれは、盛りだくさんの情報でした。話の順番も、よく練習されてました。
聞くひとの気持ちを高揚させるためのテクニックも、プロフェッショナルなものでした。
で、Mさんの話を総合すると、こういうビジネスモデルのようでした。
・ベラジョンという、全世界で流行ってるめちゃくちゃ有名なオンラインカジノ会社がある。
・アジアエンターテインメント(Mさんたち)は、そこと提携している。(ASPである、と言っていました。)
・僕らは、アジアエンターテインメントをASPとして利用するために利用料である195000円を払い、ベラジョンのアプリを紹介する。
・そうすると、ベラジョンを使ったひとの5%の収益が入る。
ということでした。
「ASP」という言葉を、ふつうのひとに使っちゃいけないと思うんですが、アフィリエイトとか、ブログをやってるひとならわかります。
A8.netとかバリューコマースが有名なASPですが、ネットビジネスをやったことのないひとは、ASPなんて言葉は知りません。
「アジアエンターテインメントは、ベラジョンと提携していて、アプリを紹介するシステムを運営していて、受け取れる収益の計算とかしている。」
「アジアエンターテインメントをASPとして使うための利用料が、195000円ですよ」
とのこと。
▶︎最初のほころびが見つかりました。
ASPって、普通は無料で登録できるものです。僕は、10個以上のASPに登録してますが(ブロガーなら誰だってそんなもんです)、ひとつも「ASPの利用料」がかかったことはありません。そういうものなのです。
ふじさわ「ASPに登録するために利用料がかかるなんて、珍しいですね。」
Mさん「そうです。収益の計算とか、システムを使うためにお金がかかりますから。」
ふじさわ「普通は、ASPって無料ですよね・・・」
Mさん「いえいえ、お金がかかるものですよ。楽天だって、ASP登録するには、最初は2万円くらいかかって、月々9000円くらいかかるんですよ・・・」
ふじさわ「いやいやいや!!!楽天でアフィリエイトをするためのASP登録は、無料ですから!それは、楽天でネットショップを運営するときの話ですよね!」
Mさん「は、はぁ。とにかくASPの登録にはお金がかかるんですよ・・・」
どうやら彼自身も、「ASP」という言葉の意味をよく理解しておらず、世の中のASPについて知らなかったようです。
そりゃそうです。「ASP」なんて言葉、マジで、ネットビジネスしないと一生触れませんから!だからこれを読んでるあなたが「ASP」の意味を理解できなくても、それが普通です。
だからこそ、その誰もわからない言葉を、勧誘で使うあたりがほんとズルイ。
▶︎とりあえず、僕が契約する意志が全くないことが伝わり、ホントに、全く強引な勧誘もセールスもないまま、終わりました。
「もし、興味があればいっしょにやりましょう」というスタンスでした。
きっと、ネットワークビジネス業界で「強引な勧誘」というのは、悪評の一番の原因なので気をつけているのでしょう。
ということで、僕とW君は席を立ちました。
この時点での僕の頭の中は、
・確かに、詐欺っぽいけど、確信的にクロな部分はない。
・もちろんカンタンに稼げるわけでもないだろうけど、ネットワークビジネスなんてそんなもの。ビジネスなんてそんなもの。
・これが、本当にフェアなネットワークビジネスなのか、真っ黒な詐欺なのか?
という疑問がありました。
▶︎決定打は、自宅でネットサーフィンをしていて見つけました。
というより、オンラインカジノのアフィリエイトに詳しい友人に聞きました。
彼は、オンラインカジノを紹介するサイトを運営しています。
で、このサイトの中に、ベラジョンへのリンクがあります。
僕は、友人に聞きました。
ふじさわ「このベラジョンは、アフィリエイトしてるんですか?」
友人「してますよ。」
ふじさわ「料率はいくらですか?」
友人「20〜25%ですね」
ふじさわ「利用者が、カジノで負けた分の?」
友人「その通りです。」
オフッゥッ!!!
↑
と、ここで思わないのであれば、このビジネスへの理解はできていません。
いや、けっこう複雑なので、ほとんどのひとが理解できません。だからこそ、こうして流行ってるわけですから。
僕も、この友人がいなければここまでたどり着けてなかったかもしれませんから。
これは、僕の頭がいいとかじゃなく、ただ「ネットビジネスをやってるから」「アフィリエイトをずっとやってるから」わかるだけです。そうじゃない方には、あんまりピンとこなくて当然です。
図にすると。
・ベラジョンには、公式のASP(提携先)がある。それはPlain Partners(プレインパートナーズ)。ベラジョンのサイトからリンク貼られてますからね。
・Plain Partnersには誰でも登録することはできるが、英語がわかりづらいので、「サムライクリック」というサイト経由で登録することもできる。日本語でいろいろ書いててくれてわかりやすい。
・Plain Partnersを通して、自分からオンラインカジノに登録してくれたひとがオンラインカジノでお金を使った分の20%が、報酬として入り続ける。
ここで、さっきの図と見比べてましょう。
▶︎これで、アジアエンターテインメントのビジネスがほぼ詐欺である説明は終わりです。
わかりにくかったと思います。
ここまでを理解できたら、アジアエンターテインメントが「完全に真っ黒」だと理解できます。
かんなりわかりやすく説明しましたが、理解できてないかもしれません。
それが、彼らの手です。
どんなに説明されても、「詐欺」だと気づきづらい仕組みになってます。
ほんと、僕が「普通のアフィリエイト」をやってる人間で、その僕に「新しいアフィリエイト」なぞというものを見せられたのでここまでわかりましたが、普通はわかりません。
もう一度、言葉にするとすると
・プレインパートナーズ経由でベラジョンを紹介すれば、無料で始められるし、利用者が使った額の20% が受け取れる。
・アジアエンターテインメント経由でベラジョンを紹介するには、195000円を払わなくちゃいけなしし、受け取れるのは報酬の5% 。
これ以上は簡単には説明できません。
▶︎「それじゃぁ、このビジネスの権利を195000円で売るってビジネスは成り立たないじゃないですか」
という話になります。
その通りなのです。
アジアエンターテインメントのやってるビジネスは、ビジネスじゃないです。
すごくカンタンに言うと、
Aさん「ものすごくカンタンに稼げる方法を100万円で教えてやる」
Bさん「マジで!?教えて!」
BさんがAさんに100万円を渡す。
Aさん「いまおれがおまえにしたのと同じことを、他のひとにもやればいい。100万円もらえる。200万円でも、300万円でも!」
・・・というのと同じです。
きっとこれは「ねずみ講」に分類されるんでしょうが、
間違っても「ビジネス」には分類されません。「詐欺」です。
▶︎僕にこれを紹介してくれたWくんは、本当に純粋な気持ちで僕にこれを紹介しれました。
しかしMさんは、そうではないでしょう。残念ながら確信犯。
いや、ひょっとしたらMさんも「これこそっ!」と思ってるのかもしれません。なんせ、ASPのこと、知らなかったから。
ということで、願わくばこの記事が
「AEアフィリエイト」「アジアエンターテインメント」「ベラジョン」
などのキーワードで検索上位に上がり、迷えるみなさんの役に立てればと思います。
やっぱりね、望む人生を手に入れるにはですね!「2勤5休のススメ」ですよ!
僕が書いた本です。
では、またのお越しを、お待ちしております!
ーーー2016.3.8.追記ーーー
その後、元事件屋の友人にこの件を相談しました。
こういう裏の分野にメチャ詳しい。
するとその友人曰く「めちゃくちゃブラックに近いが、違法ではないし、詐欺ではない」とのこと。
とはいえ泣き寝入りはいやなので、Wくんの金を取り返すために3人で作戦を立てました。
「ファミレスの奥の席にMさんを呼んで、3人で問い詰め、クーリングオフを適用させる」
という、映画のワンシーンのような企画です。
しかし事態は一転し。
AEアフィリエイトのサポート(support@aeaffiriate.com)に、
「一身上の都合により、退会したいので返金したい」
とメールを出したところ、数日で返金手続きがなされました。Wくんの口座には、195000円が振り込まれました。
どうやらAE側も、被害に合った方が騒いでおおごとになるよりも、速やかな返金の方がマシだと判断しているようです。
この記事がさらに多くの方の役に立ちますように。