[公開日]2023/01/10

KDPセレクトとは?印税70%もらえる条件なので基本は登録しよう。

いらっしゃいませ!ふじさわです。

ふじさわ
Amazonで本を出版しようと思ったけど「KDPセレクト」ってなに?わからん。

Amazonの電子書籍出版「KDP(Kindle direct Publishing)」で出版しようとすると「KDPセレクト」という謎の要素が登場します。

どうやら登録した方がよさそうだけど、正直、公式サイトを読んでもわかりにくいです。

そこで、10冊以上Kindle本を発売し、著作を出版した経験もあるふじさわが解説します。

それほど難しい内容ではないので、さくっとチェックしていってくださいね!

いきなり結論

KDPセレクトに自分の本を登録すると「ロイヤリティが70%になる」「読み放題対象になる」など、売上が上がるメリットが多いです。

条件は「Amazon以外の電子書籍スタンドで販売しない」なので、そこをクリアできるのなら絶対に登録した方がお得です

KDPセレクトは「Amazon専売にする」契約のこと

Amazonの出版プログラム「KDP」で出版しようとすると「KDPセレクトに登録しますか?」と聞かれます。

KDPセレクトは無料で登録でき、以下の3つのメリットがあります。

  • ロイヤリティが35%→70%になる
  • 読み放題「Kindle Unlimited」の対象になる
  • (キャンペーンやコンテストに参加できるが、日本は対象外)

以下でそれぞれを解説します。

ロイヤリティが35%→70%に

Amazonで電子書籍を出版すると、基本は売上の35%がロイヤリティとして支払われます。

しかしKDPセレクトに登録すると、割合が70%になります。

70%のロイヤリティをもらえる条件は以下の3つです。

  • KDPセレクトへの登録
  • 本の価格が250〜1,250円の範囲であること
  • 紙書籍もある場合、紙書籍より20%以上安いこと

ほとんどの人は紙書籍と同時発売ではないので「250〜1,250円で販売し、KDPに登録する」ことで、70%のロイヤリティを受け取れます。

僕は基本、500円で販売しているので、一冊売れるごとに約350円を受け取っています。

注意:実際は68%くらい
分かりやすいので「70%」と書いていますが、実際にはそこから「配信コスト」が差し引かれます。

配信コストはテキストメインの本なら10円以下なので気になりませんが、写真集や画集など、高解像度の書籍を出版する場合、配信コストに気をつける必要があります。

 

読み放題「Kindle Unlimited」の対象にもなる

「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」とは、月額980円でキンドル内の多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。

月額980円ですが、「2ヶ月99円」や「初月無料」などのキャンペーンを頻繁に行なっており、非常に人気があるサービスです。

まだ登録してない方は、ユーザー側の気持ちになるためにも、一度こちらから登録しておくとよいでしょう。

Kindle Unlimitedは全てのKindle本が対象ではないですが、KDPセレクトに登録すると、自分の本が読み放題の対象になります。

ユーザーは、月額980円を払っているとは言え、無料のような気分で手軽に本を読めるので、多くの読者にリーチできるきっかけになります。

読み放題で読まれた場合のロイヤリティ
読み放題(Kindle Unlimited)では、読まれたページ数に応じてロイヤリティが発生します。たくさんのページを読まれれば読まれるほどロイヤリティが増えます。

僕は10冊以上の書籍をKDPセレクトに登録していますが、購入によるロイヤリティより、読み放題によるロイヤリティの方が多いです。

キャンペーンやコンテストに参加できる(日本は全て対象外)

KDPセレクトを説明する公式ページでは、以下のキャンペーンにも参加できる、と紹介されていますが、全て日本は対象外です。

  • Kindle Countdown Deals
  • 本の無料キャンペーン
  • Amazon文学コンテスト

Kindle  Countdown Dealsは、割引価格で一定期間販売でき、残り時間などが表示されます。

本の無料キャンペーンは一定期間無料で本を販売できます。

Kindle本の価格は設定でいつでも変更できる(1〜2時間で反映されます)ので、上記どちらのキャンペーンも手動で擬似的に行えます。一定期間だけ無料で、終わったら有料にするなどです。

コンテストも含め、残念ながら日本は対象外なので気にせずに「70%のロイヤリティ」と「読み放題対象になる」の2つのメリットを享受しましょう。

KDPセレクトのデメリット・注意点は?

ここまでKDPセレクトのいい面だけ紹介しましたが、デメリット、リスク、注意点は1つだけです。

他の電子書籍配信サービスで配信できないだけです。

世には、Amazon以外にもたくさんの電子書籍サービスがあります。楽天koboが代表的ですが、(恐らく)noteなども対象になります。

原稿が書き上がると、思わず「いろんな電子書籍配信スタンドで配信したい!」と思うかもしれませんが、KDPセレクトに登録するなら、Amazon以外で配信してはいけません。

ふじさわ
そもそもAmazon以外で配信する気ないから関係ないよ!

と思う方は、それでOKです。

電子書籍配信スタンドシェア率

こちらはimpressの2022年の調査ですが、電子書籍配信サービスのシェア率です。

マンガアプリを除けばKindleは1位、2位は楽天koboです。

マンガを発売したい方はKindle一本よりも、他のサービスでも配信した方が良さそうですね。テキストメインの本を書く場合、楽天koboでも同時配信も普通にアリかと思います。

僕は管理コストを抑えるためにも、Kindleのみで出版し、KDPセレクトに登録しています。

他の電子書籍スタンドに誘われた話
ある時、知り合った方から「自社で運営している電子書籍スタンドで配信してほしい」と言われたことがあります。

諸々の条件がありOKしたので、その書籍はKDPセレクトには登録しませんでした。

KDPセレクトは90日の自動更新

KDPセレクトは90日ごとの契約で、手続きをしない限りは自動更新になります。

僕はずっと更新し続けているので、90日更新であることは関係ありません。

しかし「最初の90日だけAmazonで発売し、それ以降は他の電子書籍スタンドでも発売したい!」とか「他の電子書籍スタンドは取り下げて、Amazon専売にしたい!」と思った場合は、90日更新である点を覚えておきましょう。

KDPセレクトがおすすめな人とそうでない人は?

基本的に、Kindle出版する全てのひとにKDPセレクトをおすすめします。

  • ロイヤリティが35%→70%に
  • 読み放題対象になる(読み放題分のロイヤリティも入る)

という、収益の面で非常に大きい2つのポイントを抑えているからです。

逆に、以下で紹介する「おすすめしない人」な場合はKDPセレクトは登録なしでいいかと思います。

KDPセレクトが不要な人は

  • 他社でも配信したい人
  • 読み放題に登録されたくない人
  • 高額、低額の電子書籍を販売したい人

上述のように、楽天koboやnote、マンガアプリなどでも販売したい場合はKDPセレクトは登録できません。

また「読み放題で読まれたくない!ちゃんと買ってもらいたい!」という場合は登録なしにしましょう。(一般的な書籍出版の印税は3〜6%程度なので、35%でも破格と言えます。)

KDPセレクトで70%のロイヤリティをもらう条件は250〜1,250円にすることでしたが、KDP自体は99円〜20,000円で販売できます。

この範囲内(99〜249円 or 1,251円〜20,000円)で販売したい場合は、KDPセレクトに登録しても70%のロイヤリティはもらえないので、登録するメリットがかなり少なくなります。

以上のどれかの条件にあてはまる場合は、KDPセレクトは登録しないでOKでしょう。

まとめ:KDPセレクトは「基本は登録」でOK!

KDPセレクトについて解説しました。

特別な理由がない場合は「とりあえず登録」でOKです。

友人に本を勧めたり、ブログやSNSでおすすめする時も「読み放題の対象」だと気軽におすすめできます。

ロイヤリティ率が上がるのも非常に大きいです。

ちなみに「3ヶ月で自分の本が出版できる」というプログラムも提供しているので、ぜひチェックしてみてください。