[公開日]2018/01/07
[更新日]2018/01/13

旅が退屈なんじゃない。この時代を走り抜けたいだけ。【日本帰る】

ええと・・・うん、疲れた。
もう疲れました。旅するの。

 

親しい友人とLINEとかでやりとりすると、みんながみんな

「もう世界一周に飽きてきてるでしょ?」とか
「旅に疲れてるでしょ?」って言ってくる。

あぁやっぱり、バレるひとにはバレてるんだなぁと、悔しいような安心するような気持ちです。

もうなんか、世界一周とか疲れてきたのでやめようかと思います。終了!
三月に帰国するよーという記事を書いたばっかりなんですけど、もうそこでおしまいです。再出発なし。

それに加えて、予定も大幅変更。
予定では一月中旬にハワイ、一月末カナダ、北米、南米、マチュピチュ、ウユニ塩湖でフィニッシュの予定でしたが、全然ワクワクしないのでやめです。やめ!

いまのところのプランは一月末にハワイから日本に直接帰っちゃうAプラン。もうそれでもいい。一番行きたかったのハワイだし。
だけど、一月に日本に帰って家なしはけっこうキツイ。寒すぎるし。ということで、一月末にハワイから、タイかフィリピンかそこらに戻って二ヶ月くらいノマドして、三月の兄の結婚式直前に帰国のBプラン。

諸々を考えてみて、決まったらまたどこかで書きます。

1、霧みたいな夢

「世界一周する」というのは、二十歳くらいからの夢でした。高橋歩さんの本を読んで心に植えつけられ、ロバート・ハリスさんのEXILESで現実にするだけのエネルギーが湧きました。

百万円単位の貯金をして出発するスライルは、はなから僕の頭になくて「ネットで稼げれば貯金しなくてすむ」と思って歩んだブロガーの道。絵に描いたようにその計画は実現しました。

意気揚々と「十年越しの夢が叶う!」と思って日本を飛び出した去年の十月。
しかも、住んでいた家を引き払って「移住先を探すための旅でもある」と言い放って出発しました。
実際、二〜三年は旅をするつもりで、そのあとはどこか気に入った国に移住することも視野に入れてました。

 

最初の違和感は、バリからハワイ、ハワイからカナダのチケットを取得したときでした。
地球半周分の航空券を取得することで、それまで「夢」だった世界一周が、「現実」であり「計画」へと変わり、チケットを取り終わった瞬間、ふっ、と「もう実現しちゃった」と力が抜けました。

「世界一周」という夢は手の届かない場所にあって、それを追いかけている間は眩しく輝いていたのですが、十分な資金、時間、余裕が手に入った瞬間に輝きが鈍りました。手の届かないものを追いかけてるうちが一番楽しいのはなんでも共通です。

このときはまだそれに気づかないふりをしていましたし、ついに夢を叶える、というワクワクした気持ちが勝っていました。

 

しかし一ヶ月ほど経った時、その違和感が無視できないほど大きくなる出来事が起きます。
前の記事に詳しく書きましたが、兄の結婚式です。

兄の結婚式に参加するために2018年の三月に一時帰国することが決定しました。
当初の予定では、三月にはウユニ塩湖のある南米にいる予定だったので、地球の一番遠い場所からの帰国になります。

この時点での選択肢は、三つありました。
日本に戻ったあとに再出発するのがひとつ。この場合は、再び南米まで戻るのは非効率なので、韓国、台湾などから逆周りします。

ふたつめは、南米からヨーロッパ経由で帰国のチケットをとることで「これで世界一周しました」と言っちゃうパターン。このプランを思いつく時点で、世界一周の目的もなにもない、経験したいのか、「経験した」と言いたいだけなのかがぐちゃぐちゃです。

三つめのプランは、三月に帰国して、そのまま日本に住んでしまい、世界一周終了のパターン。僕は三つ目のプランを選びました。

 

もう、僕がかつて持っていた「世界一周」という夢は、消えてなくなっていました。
それはもう、霧とか雲のように。勢いよく伸ばして掴もうとした手には、なにも触れませんでした。

これは別に「世界一周」とか「旅」とかが悪いとかいう議論ではなくて、多分ひとはたまに「霧みたいな夢」を持ってしまうものなんだと思うのです。近づいて、手が届くとこになって、現実味を帯びた瞬間に、消えてしまう感じの夢。

例えば僕は、二十歳のときに高知県から東京に出てきたときには「六本木ヒルズで働きたい」という夢を持っていましたが、六本木ヒルズに出入りする人々の表情を直接見たときに、その夢は霧のように消えました。それも、東京にきてその場所に足を運ばなければ消えることはなかったかもしれない、霧みたいな夢だったと思うんです。

ひょっとしたら僕の「世界一周」という夢は、二十五歳くらいまでの僕にとっては、実態のある叶えがいのある夢だったのかもしれませんが、三十歳の僕にとってはもう、ワクワクも情熱も与えてくれない、形骸化した夢になってしまってました。

夢の賞味期限が切れてしまってたのかもしれない、と思うと後悔の気持ちが湧きますが、二十歳の僕も、二十五歳の僕も、その時々でベストと思う選択をしてたはずなので、後悔はしません。

2、海外ノマド生活のリアル

十月に日本を出発してからの三ヶ月、僕がどのような生活をしてたのかを少し書こうと思います。

幸いにも、東南アジアにいても、もともとの友達や、ツイッターを見て連絡をくれた人と会う機会は多いので、週に三日くらいは誰かと過ごしてます。
つまり、週に四日はパソコンと向き合ったり、街中をプラプラ歩いてるだけの生活です。

世界一周に出るとなると「なにかテーマがあった方がいいんじゃない?」とか「なにかをしながらの方がいいんじゃない?」と散々言われました。
僕にも、世界中の人の髪を切るとか、ダンスをするとかやることがあればいいんですが、とってつけたようなテーマだと続かないし、誰の心も動かさないのはわかってました。

そんな中で、なんとか「360度カメラで、ブンブン振り回した映像を撮る」というチャレンジをし、インスタグラムにも投稿してたのですが、どうも芯をとらえられていません。

一応は「ブログで稼ぎながら世界一周してるひと」という方向性で今もやっているのですが、案の定「わざわざ旅をする意味がわかんない」という状況です。

海外にいても、日本にいるときと同じようにブログ更新、SNS、電子書籍、サイト作りはできるんですが、いかんせん日本にいるときの6割くらいの力しか出せません。

具体的には、作業するためのカフェやコワーキングスペース、ホテルのロビーの問題です。知らない街にきて、ググってみてよさそうな場所で作業をスタートするんですが、やれwi-fiが弱いだの椅子が硬いだの暑いだの蚊が多いだの周りがうるさいだのの理由で、ちゃんと集中できる時間は減ります。

週に一回くらいの移動日には、丸一日作業ができなくなります。新しい街では移動手段もわからないしどの場所なら快適に作業できるかもわかりません。コンセントの形状が違うことで、パソコンの充電ができない、などのトラブルもあります。

まぁ「世界一周ブロガー」をするなら、こういう諸々の理由で自分のパフォーマンスが6割くらいになるのは最初からわかってましたし、仕事6割、観光4割、というペースで二、三年生きていけばいいかなと思っていました。

しかし僕の心の中で仕事が占める割合が6割では留まらず、7割、8割・・・と大きくなっています。と同時に、観光や新しい国や街への関心は小さくなり続けています。ゲストハウスで出会う外国人にも興味が湧かないし、千年前に建てられた遺跡への関心もないし、貧困のスラム街を見ても心が動きません。そんな調子なので、三月に行く予定だったウユニ塩湖やマチュピチュに行くのも億劫になったのです。

ある本で読んで膝を打った言葉に「人は確認作業でしか動かない」というのがあります。

綺麗な海や、壮大な遺跡や、貧困の子供達がいると聞いたから、実際にその場にいって「確認」する。確認することで、何かを成し遂げたと安心するのが人間の性質だと言うのです。悔しいですが、僕もその通りでした。世界の有名な場所に行って、その通りのものを自分の目で確認して安心する。世界一周したい僕の動機はまさしくそれでした。

確認作業で動くのが悪いことではないんですが、いまの僕には確認作業よりも心を動かすものが目の前に現れました。
まだ誰も確認していない、誰も見たことのない未来へ向かうことがそれです。

3、この時代を走り抜けたいだけ

タイトルにも書いたように、旅は退屈じゃないです。確認作業を繰り返すのは楽しいです。

もしこれが2012年とか2015年なら、僕は旅を続けていたでしょう。
しかし、2017年、2018年、2019年に「仕事6割、観光4割」を続けることは、僕にはできませんでした。

なぜなら、2018年の現在は、世界が音を建てて変化していて、その変化のスピードはドンドン上がっているからです。
変化のキーワードは「仮想通貨」「SNSバブル」「コミュニティ」「働き方」でしょうか。それ以外にもたくさんあります!
20代の億万長者がポンポン出てきて、SMAPがSNSを始めて、ド田舎や海外に若者が集まり、銀行がリストラするこの時代の変化に、ワクワクしています!

そして、その変化は「インターネット」と「個人」を軸に回っています。
僕は一応はプロブロガーとして、変化についていける側にいます。トップではないけれど、大きな目で見たら変化の中心に近いのは自覚しています。

この変化がこれから十年以上加速し続けるのか、2022年くらいには落ち着くのかはわかりませんが、この激動の時代に、変化の中心に近い側なのに、「仕事6割」なんて生ぬるいことを言ってられないのです!

「確認作業」を繰り返す世界旅行とは違い、これから先の社会の姿は、誰一人知らないのです!確認ではなく冒険、創造、挑戦です!そっちの方がエキサイティングに決まってる!

日本に戻って、ちゃんと作業環境を整えて、10割の力を使って、この新しい時代にダイブしたいのです!
具体的には、ブログやアフィリエイトの勉強やレベルアップ、仮想通貨への投資と勉強になると思いますが、もう旅なんてしてる場合じゃない!

ということで、もうすぐ日本に帰ります!
日程決まったらまた連絡しますー!

最後に宣伝。

いま一番力を入れてるのは、大晦日に発売した働き方に関する電子書籍です。総合ランキング800位くらいでがんばってる。1月13日まで250円なので、まだの方は買って、拡散してくれると嬉しいです。

この記事の写真は早川くんに撮ってもらったものです。エモい。

 

2 件のコメント

  • おつかれさまでした。同郷同世代で同じく海外放浪に憧れる者の一人として、先達の藤沢さんから貴重な気づきを与えていただきました。自分もこれから先確認作業の旅をする過程で、理想と現実の乖離に向き合う日が来る可能性を心の片隅に置きながら準備を進めねばと気付かされました。ありがとうございます。

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